外資投資法務

企業(会社)買収・合併(M&A)手順

有限責任会社を例に、買主の立場から

買収・合併手順(M&A)の三段階:
 (一)前期の商談で意向書を取り交わす段階
    弁護士の仮調査、法律相談、前期書類の作成
 (二)契約交渉協議段階
    弁護士の調査、法律意見書、買収合併書類の作成
 (三)譲渡段階


1、前期商談
 買収側と売側(目標会社の株主)又は目標会社が商談し、仮状況を把握し(続けるか取りやめるか)、弁護士が情報収集、調査した上で委託人に法律リスクと予防対策を提示する。必要があれば法律意見書を提出し、委託人に買収合併意向書等法律書類を作成してあげる。


2、意向書締結

 独占的な交渉契約(上場会社と国有企業の買収を除く)と秘密保持契約を締結する。(意向書の中に秘密保持条項と独占交渉条件を定めても良い。交渉や秘密保持期限は定めておくべきである);
意向書の重要内容は以下の項目が含まれる:
 1)買収合併標的;
 2)買収合併方式と契約主体;
 3)買収合併価額及び価額確定方式;
 4)対価支払い;
 5)双方の株主会の決議が必要か否か;
 6)政府主管部門の許可が必要か否か;
 7)買収合併するに当たって必要な条件;
 8)保障条項:独占交渉条項(排他協議権限)、情報資料提供条項、非公開条項(双方が共同に買収合併事項を公開する前に、任意一方が第三者に買収合併情報を公開できない条項)、固定条項(意向書の有効期間内に、買収側は約定金額で目標会社を優先買収することができる。相手側は拒否することができない条項)が含まれる。;
 9)付加条項:停止条件と秘密保持条項等が含まれる。

 秘密保持条項内容に明確すべき項目:適応対象範囲(事情を知る人の範囲)、秘密保持事項範囲、秘密保持期限、相関資料の返還破棄項目等
 弁護士は委託人に意向書と正式な買収契約書の効力の区別を提示すると共に、どの条項が束縛効力があるのかを明確にしなければならない。


3、調査(デューデリジェンス)

 意向書に調印後、買収側は目標会社と協議の下で、債権債務の整理、資産評価(国有資産評価の特殊要求について注意)を行い、目標会社の管理構造を詳しく調査し、従業員状況について統計記録をする。


4、債務処理

 売買双方及び目標会社の債権者代表は、共同協議して買収合併実施計画を作成する。債権者と売却側は債務再編の協議を行い、買収後の債務返済事項について約定し契約をする。


5、買収契約の達成

 買収双方は正式に協議し、買収契約を締結する。
 弁護士は買収合併契約等の法律書類の作成、交渉協議の参加、契約書作成(書類作成)を行う。買収側の弁護士は法律書類の起草を獲得しなければならない。そうすれば、書類作成の主導権を握って、交渉でも主導立場を得る事ができる。
 交渉中の最も重要な問題は取引価額である。取引価額は当事者双方の権利義務の分配を直接に影響する。例えば:1ドルの象徴性対価での買収について、販売側は何も陳述や保証しなくてもよいなので、弁護士の法律判断は顧客の利益を十分に考慮することが要求されてくる。


6、株主会などの確認

 双方は会社定款又は法律規定に基づき、契約を各自の権利機構に交付し(株主会など)、買収事項について表決する(これは契約の締結が有効になる前に完成する)。


7、行政部門の確認(承認)

 双方は法律規定により買収契約を関連政府部門に交付し、許可を得る必要がある。


8、関連手続きを行う

 財産権譲渡資産譲渡手続きと経営権譲渡手続きを行う。
譲渡に関わる行為:
 1)関連の引継ぎ書類に署名する(場合によって決済と契約の締結が同時に進行する);
 2)関連の証明書と書類を交付する;
 3)対価の支払い又は資金決算;
 4)所有権移転手続きを行う。
弁護士は譲渡引受けリスト及び時間表などを作成し、上述のことを明確にしなければならない。 資産買収は譲渡日に所有権が移転する。

 株権買収は譲渡日に権利義務が移転する。

 その後は、株主変更の記入、工商税務の登記、国有資産土地、家屋、社会保険等の変更登記手続きをしなければならない。

 

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