外資投資法務

外資投資企業による中国からの資本撤去に関する法務-P1

 

中国外資投資企業清算関係法律

 1)関係法律制定の背景

  中国国内の事情と歴史的背景により、中国企業法律の制定順序が一般法律を先に定めて、次に特別法律を定めるという順ではなく、その逆の順になっている。外資投資に関わる企業法律(「中外合資経営企業法」「中外合作経営企業法」「外資企業法」など)は、中国会社法より十数年も前にも施行されていた。その後、数十年の実践を経て、外資投資関係法律も充実してきて、外資投資に関わる現行の法律規定は200以上も施行されている。

 

  中国政府は改革開放政策の実施以来、積極的に外資を導入するため国内企業に適応する法律と異なる外資投資企業向けの特別法律を次々と定め施行してきた。その結果、外資投資企業の設立や企業の管理体制に関する規定、企業変更規定、税法など即存法とはかなり異なる法律規定が設けられた。特に改革開放のはじめの20年間は外資投資企業に国内企業よりもかなりの優越な条件を設け、外資投資に便益を与えた。ただ近年、中国会社法の改定および税法の改定により、外資投資企業に対する法律上の優遇がほぼなくなった。

 

  企業の設立と運営のみではなく、企業の解散についても外資投資企業には特別な清算方法がある。外資企業関連法律に明確に定められていない場合は、一般企業の解散に関する法律が適用される。例えば中国会社法の第十章には、非破産原因による会社の解散と清算について定めがある。また中国民事訴訟法にも企業法人の破産に関する規定がある。2006年に施行された中国企業破産法には国営企業と企業法人の破産についての規定がある。

 

2)2008年以前の外資投資企業清算関係法律

  @外資投資企業清算類別

 

外資投資企業の解散・清算の分類にも一般中国国内企業と同様に破産清算と非破産清算の二通りがある。1992年中国最高裁判所の公布した中国民事訴訟法適用意見の240条には「中国領域内の外資投資企業の破産は中国民事訴訟法の第19章が適用される」と述べている。

 

外資投資企業の非破産原因による解散については、企業の性格によって「中外合資経営企業法実施条例」「中外合作経営企業法」及び「外資企業法」の実施規則にそれぞれ規定がある。1996年国務院の許可により対外貿易経済合作部が「外資投資企業清算方法」を公表し、非破産清算について詳しい規定を設け、これが現在、外資投資企業の非破産清算に対する主たる依拠法律になっている。

 

  「外資投資企業清算方法」の規定により非破産清算は一般清算と特別清算に区別されている。特別清算とは、企業が自己清算委員会を組織できない場合、もしくは一般清算の規定によって清算を行なえば、重大なな支障があると判断した場合、企業権利機構・投資者・債務者が企業審査機構にしんせいして、その許可により特別清算委員会を組織して清算することをいう。

 

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