外資投資法務

外資企業の中国から会社資本撤退方法(実務編1)


  中国の人件費の上昇および中国外資企業優遇政策の終止により、一部労働集約型の外資企業はもっと人件費の安い国、または優遇政策のある国へ移転する傾向があります。この中、まず直面するのが現在中国にある資本をどうやって撤退することでしょう。弊事務所の近年の案例からいくつかの資本撤退方法をまとめました。

 

 中国に投資する外資企業は「中外合資企業法」「中外合作企業法」「外資企業法」など法令に基づき設立され、存続期間中に様々な法律関係ができます。例えば原料供給先、顧客、税務部門、労働部門、環境部門などとの法律関係です。この中、外資企業は当事者として法的な義務及び権利があります。外資企業は撤退計画を立てるのに、まず企業の法律的な状況を全面的に審査し確認するべきでしょう。法律的なリスクに充分な認識があって、相関法令を分析し、それに適合った撤退方案を立てるべきです。

 

 次は外資企業が現行法令の定めに基づき、企業の債権債務を処理、資産処分、従業員安置、税務税関手続きの完成などを経て、中国から撤退できるようになります。不当撤退は単純に企業イメージのダウンではなく、民事責任、刑事責任も負わなければならないので、ぜひ不当撤退の回避をしましょう。現行の「会社法」「外資企業法」「破産法」など相関法令の定めに基づき、以下の六つの方法が考えられます。


1.外資企業の持株譲渡による資本撤退
  外資企業の持株を譲渡により資本を撤退する方法、あるいは企業の有効資産を価値評価して、その資産及び経営管理権を有価譲渡することです。
  利点:
    企業法人資格の変動なし
    企業経営継続性あり
    相関手続き便利・快速
  欠点:
    受譲先が債務債権把握困難
    従業員継続雇用か解散など
    適切な譲渡先の探すのが困難

企業撤退による不動産名義変更特別提示:
  中国の現行法律上、土地所有権は二通りあります。一つは国家所有土地(国有土地)、もう一つは集団所有土地(集体土地)です。
  一般国有土地の使用権を取得してその上に立てた不動産の場合、土地使用権の売却で名義変更が認められますが、集体土地の土地使用権の売却が認められません。あるいは売買できません。中国憲法の定めにより一般的に特別指定以外の都市郊外及び農業用土地すべてが集体土地にあたります。
  上海を例として、松江区、嘉定区など郊外の工場のほとんどが集体土地に当たりますので売却できません。

 では集体土地の使用権を取得した企業は、その使用権を売却と名義変更できませんので、資本撤退する時、株譲渡方法のみで集体土地使用権の移しができるということです。受譲先が企業の株を取得後、社名変更(未登録新社名であること)及び経営範囲の変更により自社営業範囲や経営方針と衝突のない会社にする目的に達成できます。

 

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