金融・融資法務

外貨(ホットマネー)を海外から中国に入れる経路分析B

(三)金融機構業務移転経路
 同一外資金融機構の国内外違う支店を利用して資金を移転する方法である。業務項目での資金移転、海外で借金し中国で返す、海外で保険に加入し中国で利益を獲得する、海外で消費し中国で控除される、外資銀行が海外から資金を転送する、外資銀行が外債を借りる、外資銀行が国内企業或は個人に貸金する、国内銀行が海外から資金を戻す等が含まれます。
 海外で借金し中国で返すことを例に流れを説明します。中国の金融機構は外国で設立した支店を通じて、海外支店のローンを国内に移転させ、年末決済の際に内部決済の方法を利用して、資金移転の目的に達成することができます。
 もう一つの方法は合法的な金融機構の決済システムを利用して資金移転をする方法です。例えば、闇銀行が偽造身分で会社を登録し銀行口座を開く、或は他人に委託して銀行口座を開く方法や銀行と非銀行金融機構の従業員を通じて直接に資金移転の目的に達成する方法です。


(四)出入国の際に金を持ち込む方法
1.デュアルナンバー車を利用
 この方法は主に中国「珠江三角洲」地域の企業が利用しています。企業は出入国デュアルナンバーの車で資金を運ぶ方法です。一回の持ち込み量が少ないですが毎日運べば多額になりますので、珠江三角洲の闇銀行もよく利用します。
2.漁民漁船を利用
 この方法は主に中国沿岸地域の漁民を利用している方法です。漁民は近辺の港に捕獲品を売却できるので、香港・マカオで捕獲品を売却した所得の名目で金銭を持ち込む方法です。多くの闇組織も漁民所得として、漁船を利用して現金を運送しているのです。
3.個人が出入国の際に現金を持ってくる
 主に国境線の町に見かける方法です。出入国の近辺住民が多く、頻繁で検査がゆるいため外貨現金を持ち込む方法です。銀行で外貨口座を開く際に、身分証明書と資金出所の証明が必要だが、実情では資金の出所を親友或は友達からの贈りであるとしているのが一般です。


(五)非商品貿易の経路
1.サービス貿易
 サービス商品は無形商品なので、サービス貿易は更に容易に資金の流れを隠すことができます。具体的には、金融保険、運送、建築、旅行、コンサルティング、広告、法律サービス、通信、展示会等のサービス貿易が含まれます。例えば、海外旅行費用の名義で銀行から外貨を購入するか、外貨口座から外貨を支払うなどの方法です。


2.海外送金
 個人が銀行を通じて外国から送金し、資金を外国から中国に移転する方法です。小さい金額で、数人に何回分けて振り込む方法がよく使われます。でも手数がかかります。


3.一方的に収支を移転 

この方法を利用する最も重要な表現形式は「パラレル融資」です。具体的には、違う国にある二つの親会社が各自国内の相手の子会社に同額貨幣を貸し、指定日付が到来したら各自で借金を返却する方法です。中国の外貨管理政策では銀行間の「パラレル融資」は禁止されていますが、多くの海外から中国A株と中国国内の不動産に投資している事業主は、この方法を利用して資金移転を完成しているのです。

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2011.11.1

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