外貨(ホットマネー)を海外から中国に入れる経路分析@
中国の外貨管理は非常に厳しくて、外国の外貨(ホットマネー)を中国に入れるのは非常に難しいです。外貨を中国に入れるのは、一般的には非常識な経路を通じて入れているのは現状です。または闇銀行を通じて中国に持ってくるのもあります。その経路は多様ですが、いくつかの経路を紹介します。
(一)貨物貿易経路
貿易は外貨(ホットマネー)を中国国内に入れる重要な経路です。中国の輸出入は莫大な金額で、それが外貨(ホットマネー)を中国に持ち込む良い機会を提供しているのです。貿易の名目で外貨の両替は完全自由であり、法的なリスクが少ないです。
1.輸入商品の価額を低くに設定
輸出入の貿易会社は「輸出商品価額を高めに設定し、輸入商品価額を低く設定する」方法を利用して輸出外貨の収入を増やし、輸入外貨の支出を抑える方法です。中国の輸出入貿易量が非常に多く、輸出入企業も多いため、輸出価額を高く設定し、輸入価額を低く設定する方法は非常に簡単で、監督部門に見つかりにくいです。監督部門に発覚されたとしても重大な法律責任を負わないのが実情です。そのため、この方法は中国の闇銀行の主な経営管理方式になっています。
2.偽貿易契約の締結
輸出入がない偽貿易契約を締結し、外国の会社が「代金前払い」名義で外貨を中国に振り込み、人民元に両替してから他の領域に投資する方法です。
案例:
外国の会社と国内の関連貿易会社が貿易契約を締結し、外国側が中国側の資金問題を解決するために、一部の代金を先に支払うとの条件で一定の代金を振り込みます。その金額が中国に振り込まれてから3ヶ月が経過した際に、中国側は商品生産に問題が発生したとして外国側に3ヶ月を延長して欲しいと要求します。また3ヶ月過ぎてから中国側は原料が大幅に値上がりしたので、商品代価を調整して欲しいと要求してきます。これについて、中国と外国側は2ヶ月間協議した結果、中国側は外国側が支払った前払い金の10%を返却することで貿易契約を中止することになりました。
この案例から、双方が国際貿易慣例と法令について非常に詳しいことが分かります。中国と外国双方のやり取りをみると、これはたったの予想以外の貿易トラブルが発生したように見かけ、実際はこの方法を利用して外国から外貨(ホットマネー)を中国に合法的に持ち込むのが目的でした。
3.先払い或は売掛金の延期
輸出貿易で、闇銀行は外国側の名義で中国に商品代金を先に支払い、外国側の本当の商品代金は貿易契約に約定した期間に闇銀行の指定口座に支払われます。
輸入貿易では、闇銀行は貿易契約の支払い期限にあわせて中国側の名義で外国に商品代金を先に支払い、中国側はちょっと時間を置いてから外貨を外国に支払い、外国側から商品代金を闇銀行に返す方法です。
闇銀行はこのような方法を利用して、輸出入貿易の商品代金をなるべく長期間中国国内に留まるようにする方法です。
4.定価移転
定価移転とは一つの組織内に二つ或はもっと多い部門の間で商品やサービス価額を調整する行為です。この組織は企業、非営利機構、或は企業団体でもかまいません。定価移転の部門も企業、非営利機構の部門、或は支店、企業団体の各構成企業であってもかまいません。
定価移転は主に税金回避或はリスク回避を目的としているが、多くの外資企業は定価移転を利用して資金を中国国内に持ち込み、人民元に両替し、人民元の切上げを見込んで両替するのです。その対象になるのは、固定資産、部品、原材料、半製品、製品等有形商品及び商品代金、知的財産権、商標、技術、管理、コンサルティング等無形商品であります。定価移転について、監督部門も色んな方法で矯正を行ったが、情報の不マッチにより、ある程度の問題しか解決できないのが現状です。
5.輸出入の循環
香港、澳門地域に輸出する製品を半製品の名目で輸入し、また再輸出することにより、外国の外貨(ホットマネー)を国内に持ち込むのである。このような操作方法は比較的に隠匿しているので、容易に検出されないし、税金の払い戻しも一緒に取り組むのです。
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2011.11.1
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