海外融資受けに関わる対外担保の法定条件
国内の外資企業が海外銀行から融資を受ける場合、その条件を満たした第三者の担保が必要になる。
1).対外担保に留置と手付金を含まない。
「境内機構の対外担保管理方法」の第二条により、担保者は中国境内機構(境内外資金融機構を除く)でなければならず、個人は対外的に担保する資格はない。また、担保形式には、保証、抵当、質入(動産、権利質入も含む)3種類しかない。担保者は自分でも、或いは第三者でもよい。 なお留置と手付金形式での担保はできない。
2).対外担保は原則上外貨管理局の許可が必要が、例外規定もあり
「境内機構の対外担保管理方法実施細則」の第三条により、海外から融資を受けるのは許可の必要はないが、対外担保は外貨管理局の許可が必要である。
第二十七条の規定により、自己財産で自己対外債務に担保を提供する場合、外貨管理局の許可を得る必要がなく、対外担保登記の手続きを行って、担保物に関わる管理部門に担保登記もしなければならない。
第三十五条の規定により、外資企業が持株で質押しをする場合、株主会の授権が必要で、外資独資会社の場合、企業設立時の審査許可機関の批准が必要である。
関連法令からまとめると
@機構が保証の形式をもって対外担保を行う場合は、外貨管理局の許可を得なければならない。
A抵当人が自己債務に対して自社財産をもって対外抵当を提供する場合、外貨管理局の事前許可がなしで、対外担保の登記手続きだけで済む。
B他人の債務に対して、自社財産をもって対外抵当を提供した場合、外貨管理局の許可を得なければならない。
C抵当人が自分の債務に対して抵当を提供するか、第三者に抵当を提供するかに関わらず、「担保法」に基づいて、抵当物の関係部門に登記を行わなければならない。「対外担保実施細則」に自己債務に対し抵当を提供する場合の規定は明確でないが、実践では、自己債務に対して抵当を提供する場合であっても抵当物の登記を要求している。抵当権者も第三者に対抗するために抵当人に登記を求める。
D質権設定者が自己債務に対して自社の動産、あるいは権益をもって対外に質権を設定する場合、外貨管理局の事前許可がなしで、対外担保の登記手続きのみで済む。外資企業が株券質権の登記をするには、その元の審査機関の許可を得なければならない。
E質権設定者が第三者として「担保法」で規定されている目的物をもって、対外に質権を設定する場合、質権設定者は直接に外貨管理局で質権の許可手続きおよび登記手続きを行わなければならない。
F質権設定者が譲渡できる株券、株、または商標専用権、特許権、著作権などの財産権を質権として設定する場合、質権設定者は外貨管理局に許可及び登記手続きを行うほか、「担保法」に規定されている関連部門で質権目的物の登記手続きを行わなければならない。同じく、「対外担保実施総則」第36条には、質権設定者が第三者債務に対して質権を設定する場合、質権目的物の登記が必要である定め、自己債務に対して質権を設定する場合は、明確な規定がない。実践では、質権設定者が自己債務に対して質権を設定する場合でも、外貨管理局は質権設定者に対して「担保法」の規定により関連部門に登記手続きを行うように求めている。質権者も自分の権利を保障するために、質権設定者に登記手続きを行うように要求するのである。
上述のように、外資企業が複雑な審査手続きを避け、簡易な登記報告をもって対外的に担保を提供したい場合は、自社財産をもって自己債務に対して抵当を提供するか質権を設定する方法を使うべきである。
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2012.3
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