渉外婚姻関連

外国人は中国で離婚手続きをできるのか

 中国の現行法律において、中国人と外国人の離婚、華僑と国内公民の離婚、香港・マカオ在住の中国人と国内公民の離婚に対して明確に規定されている。しかし、中国国内に居住する外国人と外国人、外国人と国籍のない者の離婚紛争に関する受理や管轄及び法律適用について、明確に規定されていない。なお、実務上、外国人の中国国内における離婚訴訟が増えつづあり、中国の裁判所も状況に応じて、一部案件を受理し、判決を下している。こちらでは、外国人の中国国内における離婚訴訟について簡単に説明する。

 外国人は中国国内に離婚手続きを行うことは、中国裁判所が渉外離婚案件の管轄権が有するかという敏感な法律問題にかかわることである。中国の「民事訴訟法」及び関連司法解釈の規定に基づき、夫婦双方とも外国人であり、または国籍のない者であって、中国国内に離婚訴訟をする場合、当事者の一方が中国国内に在住、または住所があれば、中国の裁判所は管轄権が有することを認める。ただし、下記のポイントについて、注意しなければならない。

 一、外国人が中国国内において、離婚訴訟するのに、夫婦の一方が中国国内に居住しているのであれば、中国の裁判所は管轄権が有する。中国の「民事訴訟法」の第23条に「中国領域内に居住していない者に対して、身分関係に関して提訴する場合は、原告居住地の中国法院が管轄する。原告の居住地が常駐地と異なる場合は、常駐地の中国法院が管轄する。」及び第237条に「中国領域内で渉外民事訴訟を行う場合、本法の規定に適用する。本法に規定されてない場合は、本法のその他の関連規定に適用する。」と規定されている。これに基づき、中国の裁判所は外国人の中国国内での離婚訴訟を受理する。あるいは、夫婦双方とも外国人であり、その一方が中国国内に居住、または常駐しているのであれば、中国の裁判所は管轄権が有する。

 二、渉外離婚案件の当事者は中国の「民事訴訟法」の関連規定により、管轄異議権を行うことができる。中国の「民事訴訟法」の第243条に「渉外民事訴訟の被告が人民法院の管轄権に異議を提出していなく、且つ訴訟に応じた場合は、当該人民法院は管轄権があることを認めたと見なす。」と規定されている。つまり、中国の裁判所が法定期限内に関連訴訟文書を被告に送達した際に、被告が中国の裁判所の管轄に異議を提出してない、且つ訴訟に応じた場合は、当該中国の裁判所の管轄権が有することを認めたと見なす。

 三、渉外離婚案件にかかわる司法実務上において、外国人が中国国内で離婚する場合は、夫婦双方が自己意志により離婚するか、それとも一方が離婚を求めるかにも関わらず、訴訟を通して離婚しなければならない。

 四、渉外離婚案件は中国の法律規定に適用するものとする。「中国民法通則」の第147条に「離婚は案件を受理した法院の所在地法律に適用する。」と定めた。したがって、中国の裁判所が受理した渉外離婚訴訟案件について、外国人の離婚、財産分割、子の扶養など法律諸問題は、中国婚姻法及び関連司法解釈、または相関法律規定に適用する。

 五、渉外離婚案件について、中国の裁判所と外国の裁判所ともに管轄権が有する場合、一方の当事者が外国の裁判所に起訴し、一方の当事者が中国の裁判所に起訴した際、中国の裁判所が受理することができる。中国裁判所の判決後に、当事者または外国裁判所が中国裁判所に外国裁判所の裁定を承認や執行を求めることができない。しかし、両国は共同で参加または締結した国際条約に別途の規定がある場合、この限りではない。

 

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