渉外離婚案件の形態及び解決方法
渉外離婚案件に関しては、当事者が異なる国から来たため、法律の適用及び規定衝突の問題が起こる場合がある。その上、公証、認証及び国家を跨る判決承認などの問題があって、さらに言語が通じない可能性もあるので、一般の国内離婚の案件よりも比較的に複雑である。こちらでは、よくある渉外離婚案件の形態及び解決方法を比較し、検討したいと思う。
一、夫婦双方とも中国籍のもので、中国国内に結婚し、離婚届出の際に一方が外国に在住し、帰国できない場合の解決方法
中国法令に基づき、一方が帰国して離婚手続きができない場合は、双方が離婚に合意しても、民政部門では離婚届けの手続きができない。裁判所の判決により、婚姻するしかない。解決方法:
1、夫婦双方が離婚に合意した場合の解決方法
(1)外国在住の一方が国内に訴訟代理人を委託して応訴する。その場合、規定書式の授権委託書および離婚意見書(一般的に中国の大使館、領事館に規定書式の記入紙がある)を提出する必要がある。記入した授権委託書および離婚意見書を中国大使館や領事館に認証してもらえなければならない。認証費用は各国在駐の大使館や領事館により多少異なるが、あまり高くはない。例えば、日本在駐大使館や領事館の場合、認証費用が3000円ほどで、米国ニューヨク在駐領事館の認証費用が20ドルぐらいである。
(2)国内在住の一方が所在地の人民法院に民事訴訟を提訴し、訴訟に双方が離婚に合意している事実関係を明記し、裁判所の早く開廷することを促す。
(3)裁判所が開廷した後に、原告または代理人及び被告の代理人が離婚合意を提示し、離婚調解書(判決書)を認可すれば、一般的に当日に発効し、一週間後に発効法律文書を引き取ることができる。
2.夫婦双方が離婚に合意していない場合の解決方法
(1)国内在住の一方が人民法院に離婚訴訟を提訴し、結婚証明書、原告の身分証明書、被告の国外住所(パスポート)及びその他の関連証拠を提出しなければならない。
(2)裁判所が立案後、一般的に原告から被告と合意できるかを尋問する。合意できない場合、または被告と連絡が取れない場合、裁判所が起訴文書を外交部に転送し、外交ルートを通して起訴文書を送達する。そのため、下記の二つの状況が現れる。
(a)被告が裁判所から通知を受け取った後に、答弁した場合、裁判所が開廷し、離婚可否の裁決をする。
(b)通知が発送されてから三ヶ月を経っても、被告は連絡がない場合、裁判所は一般的に七ヶ月間の再公告期間を経て、欠席判決を下す。欠席判決の場合は、裁判所が身元関係に限り、裁判を下すが、財産に対しては一般的に判決しない。
中国国民と外国国民が中国国内に結婚した場合の離婚解決方法
1.双方が合意した場合の解決方法
(1)国外の一方が帰国できる場合、双方が渉外婚姻管理機関に出頭して離婚手続きを行う。
(2)国外の一方が帰国できない場合、国内の一方が裁判所に離婚訴訟を提訴し、訴訟の手順は上記「一」の通りである。
2.双方が離婚に合意できない場合の解決方法
(1)国内の一方は結婚証明書、公証書、原告の身分証明書、被告の身分に関する資料(パスポート、結婚届など)及び関連証拠を裁判所に提出し、離婚訴訟を提訴する。
(2)裁判所は立案後の手順は上記「一の2」通りである。
注意事項:裁判所の判決書を受け取る時に、判決書に書いてある国外一方の姓名が違いがあるかを必ず確認すること。
三、中国国民が外国国民と外国に結婚し、中国国内で離婚する場合の解決方法
1.まず、国外の婚姻登録証明書を所在国で渉外公証し、当該国の在駐中国大使館や領事館に認証してもらい、国内の裁判所に提出して提訴する。双方とも中国国内にいる、または外国国民の一方が所在国にいても、公証と認証に協力しないと解決の難点になる。その場合、結婚登録国から代理人や弁護士を委託して公証と認証手続きをしなければならない。?
2.香港、台湾、マカオの結婚登録証明書に対しても、関連公証と認証の手続きを履行しなければならない。香港の場合、結婚登録証明書の認証は中国司法部の委託した香港公証弁護士による査証を経て、密封公証文書を発行してもらい、香港の中国法律サービス会社の転送印章を押された後に、中国裁判所に有効な書類として提出できる。
3.結婚登録証明書を公証と認証してから、その他の訴訟資料を裁判所に提出し、立案してから、双方が離婚に合意した場合は、一般的に一ヶ月間内に訴訟を終了できるが、一方が離婚に同意していない場合、または一方が連絡が取れない場合は、訴訟期間が一年半ほどにもなりうる。
四、双方とも外国国民であり、外国に結婚し、一方が中国国内に住所がある場合の離婚解決方法
一般的には双方が離婚に合意した場合、裁判所が受理し、裁決するが、離婚に合意してない場合、実際状況により裁判所の認識も多少異なる。
専門弁護士として、離婚案件に対して下記の対処方法などが考えられる。
(1)委託人の権益をもとに、管轄裁判所を選ぶ。国内や国外の裁判所のどちらに提訴するかは、各国の法律に対して確実に把握する必要がある。
(2)公証・認証手続きの完備。
(3)外国語能力の完備や場合によって所在国の弁護士の要請が必要。
(4)各国の生活習慣や一般常識に対しての認識や対応習慣についての理解。
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